北海道胆振東部地震で、清田区平岡でも液状化や道路沈下、地割れ、マンホール突出、電柱の傾きなどの被害が出ていることが分かりました。被害は、かつての二里川の谷筋を盛り土して造成した土地で、谷筋に沿って発生しているように見受けられます。

平岡北公園付近の道路(歩道)。マンホールが浮き出たまま=2018年10月6日

平岡北公園

 先の地震で清田区は、里塚地区で液状化、地盤陥没、道路沈下、家の傾きや損壊などの大きな被害を出したほか、美しが丘地区や清田中央地区でも液状化と家の傾き、地盤沈下、地割れなどの被害が発生しています。

かつての河川道と思われる遊歩道のマンホールも浮き出たまま

 平岡地区は昔、「坂の上」と呼ばれた平らな丘で、地盤は比較的安定していると見られていますが、平岡地区でも液状化、道路沈下などの被害が起きています。

平岡6条3丁目でもマンホールが浮き出る被害

 平岡6条3丁目地区の道路は、あちこちで液状化が起き白っぽい噴砂の跡が今も残っています。道路が沈下し、マンホールが突出したままのところもあります。マンホール近くの路面には「危険」と書かれ、路面にひびが入っています。

液状化の噴砂の跡が残る平岡6条3丁目

 近くの民家の敷地や道路には地割れも発生しています。電柱が2本、やや傾いたままになっています。

 地元の住民は「家は新築したばかり。安心して住めるようになるのでしょうか」と不安を隠せません。

道路に亀裂

 平岡北公園(平岡9条2丁目)内と付近の道路でも、地割れや道路沈下、マンホール突出などの被害が発生しています。マンホールの突出は、マンホールが上にせり出したのではなく道路が沈下したためにマンホールが浮き出る形になったものと思われます。

電柱が傾き、液状化の跡が残る

 その多くは、地震後、清田区土木部がマンホール周囲を簡易舗装して応急処置済みですが、立ち入り禁止の警戒線を張って路面に「危険」と書いただけのところもあります。

 平岡北公園も沈下や地割れなどの被害があったようで、今もブルーシートで覆われているところがあります。

 これら平岡地区の被害発生は、かつて二里川が流れていた谷沿いの土地に沿って起きているようです。谷を盛り土して造成した土地です。

 大きな被害を出した里塚地区をはじめ、今回の地震で液状化や家の傾きが発生した美しが丘地区、清田中央地区と同じく、平岡地区でもかつての川や谷を盛り土した所で被害が発生しています。

「札幌南I.C」の文字の上方に「二里川」(青い線)が流れている。大谷地~北野緑地付近は暗渠「桜川」(緑色の線)になっている。かつて川があったはずの平岡では、今は川も暗渠もなくなっている(札幌市河川網図)。

 二里川は大谷地から地表に出て厚別川にそそいでいます。しかし、札幌市の河川網図によると、大谷地から上流の北野緑地までは現在、暗渠(あんきょ、地下水路)になっています。この暗渠は「桜川」と呼ばれているようです。

 しかし、さらに上流の平岡地区に入ると暗渠になっていません。川を埋めてしまったのでしょうか。

 平岡北公園の湿地やイオン平岡の森の中の池は、かつての二里川の名残ともいわれています。

平岡は台地(茶色)が多いが、真ん中に1本南北に谷底平野(青い部分)と谷底(青い点線)があった。ここはかつて二里川があったと思われ、今回の平岡の被害はこのライン付近で多く発生している(国土地理院「清田区地形復元図」)。

 国土地理院の「清田区地形復元図」によると、平岡には南北にかつて1本の谷筋が走っていたことが分かります。これがかつて二里川が流れていた所です。

 清田区地形復元図は、昭和36年(1961年)と昭和41年(1966年)の空中写真を判読し、今の地図に落としたものです。

札幌市の盛り土マップ。平岡地区の盛り土(緑色の部分)はかつての谷筋(二里川)に沿って南北に伸びている。

 そして、札幌市大規模盛土造成地マップ(盛り土マップ)によれば、かつての平岡の谷筋はおおむね「盛り土」になっていることが分かります。

 今回の地震で、清田区で大きな被害が発生しているのは、ほとんどがかつての川や沢、そして盛り土して造成した宅地という共通項があるようです。

 不安を抱えながら暮らしている多くの人たちに安心安全を届ける行政であってほしいと思います。